「1400GTRってカッコいいけど、なぜか不人気って言われるよね…」
そんな疑問を持つバイクファンは少なくありません。Kawasakiのフラッグシップツアラーとして登場した1400GTR(Concours 14)は、高性能かつ装備も豪華。それなのに、中古市場では価格が安く、「不人気車」というレッテルが貼られることも。
本記事では、なぜ1400GTRが不人気なのか、逆にどんなメリットがあるのかを、実際のユーザー評価やスペック比較をもとに深掘り解説します。
この記事を読むことで、1400GTRの本質的な魅力と課題がわかり、後悔のないバイク選びができるようになります。
- 1400GTRが不人気とされる理由を解説
- ユーザー評価・口コミ
- 知っておくべきメリット・デメリット
- 中古事情・購入・売却・注意点
1400GTRが不人気とされる理由【欠点一覧】
爆バイ【BAKU-BIKE】・イメージ
不人気の主な理由とは?
1400GTRが「不人気」とされる理由は、スペックの問題ではなく、日常使いの現実的な課題に起因します。例えば、見た目が地味で若いライダーからの支持を得にくい点、車体重量が非常に重く取り回しに不安が残る点、そして暑い季節にはエンジン熱が足元にこもってしまう構造などです。また、日本の都市部では駐輪スペースが限られているため、大柄なツアラーモデルは敬遠されがちという側面もあります。これらの要素が複合的に絡み合い、「不人気」と言われる状況が生まれているのです。
重量とサイズがもたらす実用性の壁
1400GTRの重量は約304kgに達し、これは大型バイクの中でも重い部類です。この重量は、高速道路やロングツーリングにおいては安定性を発揮する反面、街中での取り回しや駐輪、Uターン時には大きな壁になります。特に初心者や体格の小さなライダーには、立ちごけのリスクも高くなります。さらに、パニアケースを装着した状態では車幅が広くなり、狭い路地や駐輪スペースに苦労することも。見た目の迫力や重厚感と引き換えに、扱いやすさが犠牲になっている点は否定できません。
見た目とライフスタイルのミスマッチ
1400GTRの外観は、まさに「質実剛健」を体現したツアラー。機能性重視のデザインは中高年のベテランライダーから支持を受ける一方で、若年層やスポーツタイプを好む層には魅力的に映らない場合もあります。また、現代的でシャープなデザインが好まれる中で、どこか旧式感のあるフロントマスクが「オジサン臭い」と感じられてしまうことも。このようなデザイン面の印象が、「不人気」というラベリングにつながっている可能性があります。見た目と価値観がマッチしない層にとっては選ばれにくいバイクです。
夏場の発熱がツライ
大型エンジンが生み出す熱量は相当なもので、特に街乗りや渋滞時にはライダーの足元に熱風がまともに当たります。1400GTRはラジエーターの位置やカウルの構造上、エンジン熱が逃げにくい傾向にあり、真夏のツーリングではブーツ越しでも熱を感じるほどです。冷却ファンが頻繁に作動することでバッテリー負担が増すという副作用もあるため、夏場の使用には工夫が必要です。高温地帯に住んでいるライダーや通勤用途で使用したい方には、ストレスになる可能性があります。
ユーザー評価・口コミ
ユーザーのリアルな評価と口コミ
実際に1400GTRを所有したオーナーの声は非常に参考になります。好意的な評価としては「長距離移動がとにかく快適」「高速走行時の安定感が抜群」「装備が豪華で満足感が高い」といった声が目立ちます。一方で、「重すぎて市街地では扱いにくい」「燃費が悪く維持費がかかる」「見た目が古くさい」など、使用シーンにより評価が大きく分かれています。つまり、ロングツーリングなど用途にハマれば満足度は高くなるが、街乗りや短距離移動が主な人にとってはオーバースペックと感じられる傾向があるようです。
デメリット:見逃せない弱点
1400GTRは優れたスペックを持つ一方で、実用面では見過ごせない欠点もあります。取り回しが難しいという意見は多く、細かい操作や狭い路地での扱いには気を使います。また、燃費は15km/L前後とツアラーとして標準的ながら、レギュラーガソリンではなくハイオク指定のため、燃料費は高めに感じる人もいるでしょう。維持費全体を見ても、タイヤ代やパーツ交換などのコストがかかるため、経済性を重視するライダーには不向きです。これらの点を理解しておくことが、購入前の重要な判断材料となります。
メリット①:装備・快適性はトップクラス
1400GTRの最大の魅力は、快適性と装備の充実度にあります。電動スクリーンによる防風性能、グリップヒーター、ABSやKIPASS(スマートキー)といった先進装備が標準搭載されており、ツアラーとしての完成度は非常に高いレベルにあります。さらに、後期型にはトラクションコントロールや燃費計も追加され、より安全かつ快適なライディングが可能に。これらの装備は、現代の新型バイクと比較しても遜色ないほどの機能を持っており、長距離ツーリングを楽しむ上では理想的な一台です。
メリット②:長距離性能は一級品
1400GTRが真に力を発揮するのは「高速道路」や「ロングツーリング」においてです。ライディングポジションはややアップライトで、シートも広くクッション性に優れ、長時間のライドでも疲れにくく設計されています。また、スクリーンが防風性能に優れ、走行中の風圧をしっかり遮断してくれます。海外モデルではクルーズコントロールも搭載されており、まさに「走りながら休める」バイクです。これにより、連日数百kmを走るような旅にも余裕で対応できるため、「乗って初めてその快適性に気づくバイク」とも言われています。日帰り〜長期旅行を想定した使用には理想的な一台です。
メリット③:驚くべき高性能
1400GTRは、見た目の大人しさからは想像できないほどの高性能エンジンを搭載しています。ベースとなっているのは、スポーツツアラーの名車「ZZR1400」と同じ直列4気筒エンジンで、最高出力は155馬力前後に達します。加速力は大型スポーツバイクに匹敵し、ツアラーとは思えない走行性能を発揮。さらに、トルクも豊富なため、2人乗りや荷物を満載しても余裕のある走りが可能です。22Lの大容量タンクにより、燃費15km/Lでも300km以上の航続距離が期待でき、長距離移動の安心感も魅力の一つです。スペック的には今でも十分通用するどころか、国産ツアラーの中ではトップクラスです。
中古事情・購入・売却・注意点
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かつての高級車
登場当初、1400GTRは「カワサキの最高級ツアラー」として位置づけられ、新車価格は170万円前後と高価格帯に設定されていました。装備の豪華さ、走行性能、快適性を考慮すると、価格に見合った内容であり、国産車としては極めて上位のポジションにありました。しかしながら、その高価格がネックとなり、当時から販売台数は少なめ。これは現在の中古価格や流通数にも影響しており、結果として「不人気車」のイメージが強まった側面もあります。とはいえ、現在の中古価格を知ると、新車価格に見合う実力を破格で入手できるお宝バイクであることが見えてきます。
前期・後期:モデルによる違い
1400GTRには前期(〜2009年)と後期(2010年〜)があり、装備や安全機能に違いがあります。後期モデルではトラクションコントロールが標準装備となり、ブレーキもリンク式(Linked Braking System)に進化。これにより、雨天や悪路での走行安定性が向上しています。さらにメーター周りがデジタル化され、見た目や操作性も改善されています。一方で、前期型は中古市場で安価に入手可能なため、コスト重視のライダーに人気があります。いずれも基本的なエンジン性能に大きな差はなく、走行性能や快適性には共通点も多いため、用途に応じてどちらを選ぶかがポイントです。
項目 | 前期型(〜2009年) | 後期型(2010年〜) |
---|---|---|
販売開始 | 2007年(国内2008年) | 2010年〜 |
型式番号 | ZG1400A | ZG1400B |
トラクションコントロール | なし | あり(KTRC) |
ブレーキシステム | ABSのみ | リンク式ブレーキ採用 |
メーター表示 | アナログ+簡易デジタル | デジタル化され視認性向上 |
スクリーン形状 | 小ぶりで防風性は控えめ | 防風性能が向上 |
サイドカウル形状 | シンプルなデザイン | シャープで現代的に |
燃費表示機能 | なし | 燃費モニター搭載 |
ハンドルポジション | 高めで直立寄り | やや前傾寄り |
車重(装備重量) | 約304kg | 約305kg |
カラー展開 | ブラック・シルバー系 | カラバリやや豊富 |
中古価格相場 | 50〜70万円前後 | 80〜100万円前後 |
中古市場での狙い目
1400GTRは不人気車種と言われがちな反面、中古市場では「知る人ぞ知るお買い得モデル」として再注目されています。年式や走行距離にもよりますが、70万円〜100万円で程度の良い個体が手に入るケースも珍しくありません。新車時は170万円近くした高級モデルであることを考えると、非常にコストパフォーマンスに優れています。しかも、この価格帯でフルパニアや電動スクリーンなどの高機能装備が手に入るのは破格。バイクとしての実力を評価できる人にとっては、非常に“美味しい”選択肢と言えるでしょう。価格の下落は不人気の裏返しでもあり、今こそ狙い目です。
中古:購入時の注意点
中古で1400GTRを検討する際は、外観や価格だけでなく、機能や整備状況のチェックも非常に重要です。まず注目したいのがスマートキーシステム(KIPASS)の動作確認。鍵が反応しないトラブルが報告されており、バッテリー状態やセンサーの確認が必要です。また、パニアケースのロックが故障していないか、スクリーンやメーター類の操作性にも不具合がないかをしっかり確認しましょう。転倒歴や塗装の違和感にも注意し、できれば整備記録簿がある個体を選ぶのが理想です。価格だけで判断せず、「整備履歴・状態の良さ」を重視するのが、後悔しない中古購入のコツです。
定番のトラブルとは?
1400GTRには、いくつかの定番トラブルが存在しますが、致命的なものは少ないです。たとえば、セルモーターリレーの劣化による始動トラブル、パニアケースのロック不良、スマートキーの電波受信不良などが報告されています。ただし、いずれも中古車購入時にチェックし、適切な整備を行えば予防可能なものばかりです。また、バッテリー管理を徹底すれば、電装系の誤作動を防ぐこともできます。中古で購入する際は、こうしたトラブルの履歴や整備状況を確認することが安心して長く乗るためのポイントです。
売却時の注意点
1400GTRを手放す際、最大の注意点は「どこで売るか」です。一般的なバイク買取チェーン店では、人気車種やスクーターに比べて評価が低くなりがちです。特に1400GTRのような重量級ツアラーは、需要が限られることから「査定0円」も珍しくありません。しかし、ツアラー専門や逆車取扱店、もしくは個人売買では好条件で売却できる可能性もあります。また、装備の有無(純正パニアケース、スクリーン、整備記録など)も査定に大きく影響します。売却前には複数の査定を比較し、1400GTRに精通した店舗を選ぶことが高額買取への近道となります。
まとめ:1400GTRの不人気は“誤解”かもしれない
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1400GTRが不人気とされる理由は「重さ・取り回しの難しさ・デザイン・熱対策」など実用面の課題にある
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しかし実際は、長距離ツーリング性能に特化した高性能バイクである
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排気量1352cc・155馬力のエンジンは、今でも十分通用するハイスペック
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電動スクリーン・スマートキー・ABS・パニア標準装備など、豪華な快適装備が充実
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中古価格は70〜100万円台と非常に安価で、コスパは国産トップクラス
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前期・後期で装備に違いがあるが、どちらもロングツーリングに向いた仕様
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買取価格は低めなので、手放す際は専門店や個人売買がおすすめ
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スペックを知れば、「不人気=低評価」という先入観は覆される
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通好みの一台を探している人には、むしろ“理想の相棒”になり得るバイク